慢性的なストレスを何とか解消するために、リラックス法やサプリメントを試される方は多いかと思います。不調のひどい方は抗うつ剤などを処方される方もおられるでしょう。そのどれもサポートとして効果的ですが、本当の意味でストレスを抑制するものは外側に目を向けても見つかりません。耐性強化、抑制に必要なエネルギー源は内側にある希望と自分を信じる気持ち・意志の強さです。
失敗が前提にあるからストレスを抱える
日本人が特にストレスを抱えやすいと言われる原因は自尊心の低さにあるかもしれません。「空気が読めない、目立つことをすると調子に乗っていると思われる、周りとの協調性が大事、自信過剰と思われたくない」などなど例を挙げればきりがありませんが、これらすべて、失敗する恐れからくる考えです。
つまり、何をするにも失敗することが前提ということになります。日本の教育がどうというわけではありませんが、「失敗しないように」「足並みそろえて」という考えが前提にあるように思えてなりません。その結果、失敗することは恥、輪を乱す奴は無視するなどの傾向が生まれているのではないでしょうか。
このような傾向が、他人と自分を比べ、自分のほうが劣っている、優秀だという価値観につながっているのだと思います。
自尊心と自意識はまったく違うしむしろ逆
意識高い系などという言葉は誰が作ったのかは知りませんが、今の日本で最も流行ってはいけない言葉かもしれません。他人と比べすぎたり、周りと合わせなければならないという考えのせいで、自信や自尊心が間違った意味を持ってしまいました。
「あいつは自尊心が強い」というと自信過剰とか意識高い系などと思いがちですが、本来、「自尊心=自信過剰」ではありません。自信過剰とは他人と比べて自分は優秀だという意識で、外側しか見ていません。自尊心とは他人ではなく自分の内側に目を向け、良いところも悪いところもすべて受け入れるという心です。
そのうえで自分は在るがままでいいのだ、自分はやれるという自信を持つことなのです。つまり日本人の自尊心の低さとは、「自分の内側と向き合う力の低さ」ということです。
回りへの批判は自尊心の低さ
自分の内側と向き合う力の低さはストレス耐性の弱さと比例しています。日常生活や仕事での様々な問題を外側に向けてしまったり、解決策の答えを外側に探したり、自分の存在価値までもが外側に向いてしまっています。
楽に痩せられるダイエット法がはやりすたりを繰り返すのも、仕事効率化アプリが流行るのも、お金儲けの情報が次々と溢れているのもそのためです。もちろんこれらが悪いと言いたいわけではありません。他人とのかかわりのためにSNS依存になったり、ネットで誹謗中傷するのも、自分の存在価値を外側に向けているためです。
ですが、目を向けるべきは自分の内側です。自分の人生が良くならないのは世の中が不景気だからだとか、自分のことを分かってもらえないから不幸だとか、「そんなのは当たり前」です。あなたがコントロールできるのはあなただけです。言い換えれば、回りがどうあれ、あなたはあなた自身を思い通りに変えていくことは出来るということです。そう信じることが自尊心の強さだということです。
まとめ~希望を持つことがストレスを抑制する~
自分がこれだと決めた指針を向かって、自分をありのまま受け入れ、自分を信じて信じるままに日々を過ごし行動することが自尊心です。失敗しようが、寄り道しようが、少しくらいぶれようが構いません。それもあるがままを受け入れるということです。
ストレスくらいで「大げさな」と思う方もおられるかもしれませんが、ストレスとは人間に備わった闘争・逃走反応であり生存のために備わったシステムで、闘おうが逃げようが生きる意志の表れということなのです。
現にうつ病や過度なストレスで自分はダメな人間だ、どうしていいのか分からないと悩んでいる方も、何とかしたいという気持ちは必ずあるのではないでしょうか。そんな気持ちや葛藤はなぜ湧いてくるのでしょう。それは希望があり生きる意志があるということです。希望を持って自分を信じることこそがストレスを抑制し、ストレスを武器にするということなのです。
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