ストレスの中でも、とくに脳疲労を生むのが、他人へのマイナスな感情です。ストレスの大半は人間関係にあると言われ、嫌悪や怒り、妬みといったネガティブな感情は知らず知らずのうちに疲労を生み、蓄積された過度なストレスはうつ病や精神疾患の原因になる可能性もあります。慈悲の瞑想で前向きな思考を育て、自分にも他人にも優しくなれる、疲れ知らずのポジティブ脳を作っていきましょう。
他人が許せないのは自分を許せないのと同じ
他人と自分は違います。そんなこと当たり前と思うかもしれませんが、多くの方はそれを知りながら認められずにいます。「なんで言う通りにできないんだ」「自分が正しいのに」「何でわかってくれないの」「自分はこんなに頑張っているのにあいつはズルい」など、言い出せばきりがありませんが、これらの感情は自他との違いを受け入れられない主観的な考えから生まれるものです。それと同時に、「こうでなければいけない」という決めつけや思い込みで自分を縛りつけていることでもあります。
慈悲の瞑想は捉え方を変えること
慈悲の瞑想は他人に優しくしなければならないとか、怒らないようにするということではありません。とくに最近、パワハラや行き過ぎた教育指導が問題視されており、「怒らないようにするには」という怒らない技術が注目されていますが、怒らないようにするということは、許せない感情をどう抑えるかということになってしまいます。
そもそも主観で、自分の価値観で判断しているということです。慈悲の瞑想は、まず自分の心の変化と向き合い捉え方の問題に気づくことで、広い視野で物事を見る力を育むことが出来ます。慈悲の瞑想とは端的に言ってしまえば「そのままでいいんだ」という気づきを持つことの大切さを育てることです。
慈悲の瞑想(メッタ)のやり方
1.ベーシックなマインドフルネス呼吸
マインドフルネス呼吸を10分程度行いましょう。腹式呼吸で鼻からゆっくり息を吸い、再び鼻からゆっくり鼻から息を吐きだし、リラックスした呼吸に注目し、意識を「今ここ」に向けていきます。
2.ストレスの原因を思い浮かべ心身の変化に注目する
好きになれない人やゆるせないこと(自分に対しても)ストレスの原因を思い浮かべ、感情や身体の変化に注意を向けます。(感情の変化からくる体の緊張や体温の上昇など)
3.慈悲の言葉を唱える
心の中で慈悲の言葉を唱えましょう
「あなた(私)があらゆる危険から安全でありますように」
「あなた(私)が幸福で心安らかでありますように」
「あなた(私)が健康でありますように」
Point: 心が落ち着かなくても自分を責めない
その後、体の緊張やこわばりが緩んでいき、心が落ち着いていくのを感じましょう。もし、静寂が訪れなかったとしても、許さなければと、心を落ち着かせなければと思ったりせず、プロセスを繰り返し行うか、今は許せなくても、続ければ大丈夫と楽観的に考え、今の心の変化をただ観察するようにしましょう。
まとめ~人の心は相対的~
「他人の考えを尊重しなさいとか、他人の気持ちをわかってあげよう」とかそんなことを言っているわけではありません。むしろ教えられてきたような道徳心が他人も自分も許せない心を育むのかもしれません。所詮他人の考えや気持ちは分かりません。だからコミュニケーションがあるのだと思います。
自分の価値観は尊重するものと同じように他人にも価値観があります。見方を変えれば物事は全く別の見えかたがあり、これだという正解はないのです。人の心は相対的だということです。自分はこう思うけれど、別の考えもあるんだなぁという広い視点と捉え方を変えていくことが大切です。
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